2日目の記録

05:22 丸山

04:30に目が覚め、テントの入り口を開けて天気を確認するが、少しガスっていて微妙な天気。昨日19:00頃に下山していった登山者に登山道の状況を確認したところ、「ガスった場合は道や方向を見失うかも」と教えて貰っており、慎重な判断が迫られていた。iモードで天気予報を確認すると、岐阜県北部の天気は「晴れ」、富山県東部は「昼前から晴れ」と悪くない予報なので、迷わず剱岳に向かう事にする。食欲は無いがバテるので強引に梅茶漬けを腹に入れてから出発。
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05:24 早月小屋

丸山から下るとすぐに早月小屋。閉まっていて特に用もないので写真を一枚撮影してそのまま進む。
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05:24 早月小屋裏の急斜面

昨日丸山に到着してからずっとこの急斜面を眺めていて、「重荷を背負った状態で登りきれるのか?」と不安であったが、間近に見てみると何とか登れそうだ。
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06:02 早月小屋裏の急斜面上部

早月小屋裏の急斜面の登り始めは大した事はなかったが、最後はまるで壁のような傾斜であり、キックステップを使って何とか登りきる。途中でアイゼンを履いて時間をロスしたのも影響しているとは思うが、早月小屋裏の斜面を登りきるのに30分もかかってしまい、正直この先不安になった。
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早月小屋裏の斜面から早月小屋方面を望む。

06:15 夏道

早月小屋裏の急斜面を登りきると夏道であり、アイゼンを外して先に進む。
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登山道の脇にはイワナシが咲いていた。

06:31 2,614mピークを望む

ガスの切れ間に一瞬2,614ピークが見えた。
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06:39 夏道と残雪の繰り返し

2,614mピークまでの間は、夏道と残雪斜面のトラバースの連続であり、ガスで斜面の下も見えないので非常に気を使う。
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夏道を突き当たると、目の前に50度近くの斜度の残雪が現れ、キックステップで足場を確保して直登する。

07:40 道迷い

地図に記載の2,614mピークは、結局どこか分からないまま通り過ぎてしまった。尾根上にはガスが立ち込めており、昨日下山してきた登山者の言う通りガスで道を見失ったが、ハイマツを濃いで強引に尾根の最高地点まで上がると、冬季に利用したと思われるロープが残置されており、それを目印にして何とか一般ルートに戻る事ができた。
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08:34 エボシ岩?

エボシ岩辺りから先は岩場の夏道歩きが続き、少しホッとする。写真の特徴的な岩場は地図に記載のエボシ岩だろうか?
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08:47 カニのハサミ

エボシ岩らしき地点を過ぎるとクサリが連続する「カニのハサミ」と呼ばれる地点が現れる。この辺の残雪はカチカチに凍っており、アイゼンを履かずに残雪に足をかけたら中が凍っていて滑って滑落しそうになるが、自然に止まってくれたので命拾い。ピッケルのブレードで氷の部分を削って足場を作ってからは安全に通過する事ができた。
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09:03 クサリの連続

クサリ場が多いものの、前剱からのルート上にある「カニのタテバイ・ヨコバイ」よりは大変ではなく、慎重に登れば問題なかった。
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09:14 分岐

クサリ場が終わると、前剱からのルートと早月尾根ルートの合流点の分岐に到着。ここまでくれば剱岳の山頂は近い。
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09:21 剱岳

分岐から岩場を登っていくと社が見え、ついに剱岳の山頂に到着。今日出発した時から覚悟はしていたが、ガスにより2度目の剱岳の山頂からも展望は望めず残念。赤岳のように3回登って3回ともピーカンの山もあれば、剱岳のように2回登っても展望にありつけない山もあるので、山は天気との兼ね合いもあり何とも難しい。僕の場合、山頂からパノラマ写真を撮影するために山に登っているので、展望が見えなければ山に登ったとは思えず、剱岳には今回で2回目の登頂となるが気持ち的にはまだ登っていない事になる。今度は高気圧に覆われた週末に登って、晴れの剱岳の山頂からパノラマ写真を撮影する事にしよう。剱岳の山頂には剱御前小舎を出発して平蔵谷から登ってきた男性の登山者がおり、この男性が「先週、前剱付近で滑落死亡事故があったそうですよ」と言うので、びびって急遽平蔵谷を下る事にする。
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一瞬ガスが切れて下が見えたが、これだけの展望しか望めなかった。

10:00 平蔵のコルに下る

山頂で出会った男性が早月尾根を下るというので、「一緒に下ればタクシー料金が1/2になるな」と下心が働いたが、今後のためにも違うルートを歩いたほうがよいので、やはり平蔵谷を下る事にした。
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10:26 カニノヨコバイ

冬山装備でカニノヨコバイを通過するのはどうかと思ったが、今日は無駄な水も背負っていないので特に支障はなく無事に通過。
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10:30 ハシゴ

カニノヨコバイの次は長いハシゴであるが、これもしっかりとハシゴを掴んで下って無事に通過。
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10:34 平蔵のコル

ハシゴを下りきると、平蔵のコルに到着。国土地理院の地図やGPSの地図にはこの付近に「避難小屋」と記載があるが、この建物はトイレであり避難小屋には見えなかった。この付近に昔避難小屋があったのだろうか?
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平蔵のコルからは、見えにくいがカニノタテバイの取り付き点が見えた。

10:40 平蔵谷を下る

平蔵のコルから前剱経由で剣山荘まで下ると地図タイムでたったの1時間半なのだが、平蔵谷を下って剱御前小舎に登り返すと標高約800m下って約700mの登り返しとなり、何時に室堂に到着出来るか予測がつかない。明日は仕事もあるので非常に迷ったが、今日既に確実に1名この谷を登っている実績があるルートなので、安全面を考えてやはり平蔵谷を下る事にする。
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11:19 ひたすら下る

平蔵谷の斜度はコケたら下まで一気に滑っていきそうな程の斜度であったが、アイゼンを利かせて歩けば特に問題はなかった。
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11:27 平蔵谷を振り返り見る

平蔵谷出合が眼下に近づいてきたところで平蔵谷を振り返り見ると、平蔵のコルと剱岳が遥か先に見えた。平蔵谷は直線距離で約1.4km、標高差約800mもあり、先程山頂で出会った男性には「よくもまぁこの長大な雪渓を登ったもんだ」と本当に関心した。
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11:32 平蔵谷出合

なんとかコケずに剣沢雪渓にある「平蔵谷出合」に到着。出合と言っても示すものは何もなく、この大岩だけが目印だ。ここでちょうど昼なので今後に向けて菓子パンとソイジョイでエネルギー補給してから剣沢小屋に向かう。
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平蔵谷出合から剣沢小屋方面を望む。

13:03 平蔵谷出合方面を望む

平蔵谷出合からはアイゼンを履いて登る。延々と続く剣沢雪渓は辺り一面雪で距離感が分からず、GPSで剣沢小屋を目的地にして何m進んだかを確認しながら剣沢小屋を目指す。もう何十分も連続して歩く足が残っておらず、100歩毎に止まって息を整えるというルールを作り、ひたすらそれの繰り返しで登る。
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13:14 剣沢小屋

旧剣沢小屋は完全に取り壊されていて資材だけが残り、新しい小屋は野営場管理所よりも下の場所に頑丈そうな石積みの囲いの中に再建されていた。新しい小屋を見学しに行きたい気持ちはあるのだが、小屋を往復する余力が残っておらず、そのまま通過して今度は剱御前小舎へと標高差約230mを登る。
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13:57 剱御前小舎を望む

一瞬ガスが切れて剱御前小舎が見えた。
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14:20 剱御前小舎

もうこれ以上ない位にバテており、剱御前小舎にも寄らずにそのまま室堂へと下る。
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14:45 雷鳥坂を下る

剱御前小舎を少し下ったところでアイゼンを外し、後は室堂平まで雷鳥坂をグリセード気味に滑って下山。「下るのは本当に楽だなぁ」と思いながら下り、室堂方面を確認すると、最終地点の室堂ターミナルまでは登り返しがあるようでがっくり。早月尾根の登山口の石碑に書かれていた「試練と憧れ」の試練がこんな所まで続くなんて思いもしなかった・・・。
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15:37 登り返し

雷鳥沢ヒュッテ経由でみくりが池を経由して室堂ターミナルに向かおうと目論むが、雷鳥沢ヒュッテに到着しても先の道が見当たらない。ヒュッテの前でゴミを焼却していた従業員に「ここから一番早く室堂ターミナルに行く道はどこですか?」と聞いて見ると、「この先は雪で歩けないから、一旦下って斜面を登るかしかないねぇ」と言われ、肩を落として来た道を戻る。せっかく登ってきた道を引き返すと、ここで富山の獅子丸さん・RRさんのグループに出会い、雷鳥荘に向けてキツい登り返しを3人で登る。

室堂平のパノラマ写真を見る

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地獄谷付近の遊歩道から立山方面を撮影。

15:42 みくりが池温泉

獅子丸さんは足が強く、僕とRRさんは遅れがち。これ位登ってもへこたれない強い足が欲しい・・・。
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16:09 みくりが池

みくりが池は半分凍っていて、池には少しだけ立山が写っていた。
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16:23 室堂ターミナル

何とか無事に旅の終点の室堂ターミナルに到着。扇沢へと続く「黒部立山アルペンルート」の営業は既に終わっている事が予想され、獅子丸さんの好意で富山駅まで送ってもらう事になっていたのだが、ターミナルの階段を下りると係員が「扇沢行きの終電まもなくです」と案内していた。獅子丸さんとRRさんに親切にして頂いたお礼と握手をして、切符を買って駆け足でトロリーバスに向かう。
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室堂バスターミナルからトロリーバスを撮影。

16:40 大観望

大観展望からは赤沢岳・スバリ岳・針ノ木岳の山々を望む事ができた。
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17:10 黒部ダム

大観展望からロープウェーで黒部平まで下り、黒部ケーブルに乗って黒部ダムに移動。黒部ダムは相変わらずの要塞であり、観光放水もしていないので静かだった。
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黒部ダムからはトロリーバスに乗って扇沢に移動した後は、扇沢から信濃大町駅までバスで移動して、電車に乗って東京に戻った。

2回登っても展望を見せてくれない剱岳。山頂からはどんなパノラマが待っているのだろうか。今年の晩秋か来年にまた登る事にしよう。